VALUのトップのインタビューを読んだ。そこでその人は、「VALUはトレーディングカードのようなもの」ということを言っていて、確かにそうだ、と妙に納得したという話。

※昔はVALUは永久債のようなものだと思っていたけど(この場合「優待」という利子を永遠に払う義務が生じるという考えになる)、トレーディングカードの考えの方がしっくりきた。

VALUには「優待」がある。でもこれ、優待とか言うから株っぽくなって勘違いされるのだ。優待というよりカードがキラキラ光るようなものだと考えよう。それ自体に経済的な価値はないし、なくても良いのである。

スポーツカードなんかは、例えばキラキラ光ってる。デザインが良い。なんか素材が違う。でもそれって基本的な物質的な価値はほとんどない。かっこいいとか、その選手が好きとか、そう言うので価値が決まる。
AKBの写真とかはもっと露骨で、ものとしてはただの写真。でも写真を買う人は、その人が活躍していて、それを見るのが好きだから、その写真を買うわけですね。だからその人がスキャンダルとか起こしてファンが減ると、多分その写真の値段は下がる。スポーツカードでも、成績が悪くて人気が落ちるとその選手のカードの値段は下がる。

だから、有名人デジタルトレーディングカードだと思えば、例えば売りっぱなしで「優待」が全くなくても何の問題もない。もちろん優待があった方が(つまりカードがキラキラ光ってた方が)ほしがる人が多いかもしれないけど、それは本質的な部分ではなくて、あくまでおまけだと考えてもよいのではないか。

でもまあ、そんな「トレーディングカード」に(いくら有名人とはいえ)何十万円も価値があるとは思わないし、最初から「トレーディングカードです」だと絶対VALUは流行らなかったでしょう。意地悪な言い方をすればわざと株式と錯覚させたからこそVALUは最初大流行したわけで、そういった点で今のVALUは矛盾を抱えてるのだと思う。

錯覚させてだまくらかして流行らせたわけですから、まずはその落とし前をつけてからね、ということ。
ショックランドとサリアの話
ショックランドとサリアの話
ショックランドとサリアの話
PPTQでの話だと仮定してください(つまり、ルール適用度は【競技】です)。

プレイヤーAのターンの第1メインです。
対戦相手は、《異端聖戦士、サリア》を戦場でコントロールしています。
プレイヤーAは、《血の墓所》を、「アンタップインで」と言ってアンタップ状態で戦場に出しました。
その直後、対戦相手は「サリアがいるのでタップインです」と言い、ジャッジを呼びました。

プレイヤーAはルール上誤ったプレイをしているので、〔その他のルールの誤り〕で【警告】が出されますが、さてジャッジはここからどうやって適正な状態に修正すべきでしょうか?

とあるきっかけでこんな疑問を持ち、twitterでアンケートをとってみました。結果はご覧の通りで、土地を戻す派よりも、ライフを払ってタップイン派が多数。

まず基本的な知識から言うと、サリアがいる場合、ショックランドでライフを2点払っても、アンタップインにはなりません。ショックランドは、「ライフを2点払うか、さもなくばタップインですよ」と言っているので、「ライフを2点払えばアンタップだよ」と言ってるわけではないのです。なので、ライフを払おうが、払うまいが、タップイン。ライフは払えます。悲しい結果になるだけですけれども。

で、今回のケース。プレイヤーAは、相手のサリアを忘れてます(たまにそういうことありますよね)。で、アンタップで出せると思って、「アンタップインで」と言って出してしまいました。直接ライフを払うとは言ってないし、ライフを書き込んでもいない。どうしましょう?

2つの答えの立場はこうなるでしょう。
1)土地を戻す立場
 プレイヤーAは、土地をアンタップで出すと言う宣言をして、アンタップで出した。でも実際土地はアンタップでは出せないので、その宣言(「アンタップインで」)自体がすでに適正なプレイではない(アンタップ出だすのは無理だから)。なので、その宣言の前まで戻すべき。つまり、土地を手札に戻すべき。

2)ライフを払ってタップインの立場
 プレイヤーAの「アンタップインで」の宣言は、明らかに《血の墓所》について、ライフを払って出しますという宣言である。サリアがいても、《血の墓所》でライフを払うのは適正なプレイで、適正でなかったのは、戦場にアンタップで出した行為のみ。従って、その部分のみを適正に直せば良い。つまり、ライフを払って、タップイン。

どちらの説明もありそうな感じがします。アンケート上は、2の方が多数派でした。ここでもう少し偉い人の答えを見てみましょう。

What I really *want* to do? Explain how Thalia and “shock lands” work, and undo the life payment. And, that’s exactly what we should probably do at Regular REL.

This isn’t the Regular REL forum, this is Comp REL, so…

What I would do, is back up the illegal action - putting the land in play untapped - but AP has paid 2 life to do something that isn’t going to turn out how they wanted, and that part is legal.

And, yeah, I’d probably feel a little bit sad for them - but, hey, it’s Competitive. Know the rules, right?


ジャッジならみんな知ってるスコットおじさん(元レベル5のとても偉い人)のお言葉です。曰く、

「私が「本当に」したいことは?サリアとショックランドがどのように作用するかを教えて、ライフの支払いを巻き戻す。そしてこれが、ルール適用度が【一般】であれば、まさに私の取る手法だ。」
「しかし【競技】であるとすれば、私が取る行為は、適正でない行為を巻き戻すことである。これはまさに土地をアンタップ状態で出したことではあるのだが、一方でプレイヤーAは(彼が望む結果が得られないにしろ)ライフを2点支払っており、それの部分は適正である。」
「そして、そう、彼には少々申し訳ない気分にはなるかもしれない・・・しかし、これは【競技】なのだし、ルールを覚えようね、ということだよね?」

スコットは、サリア忘れというより、サリアのルール勘違いという前提で話をしていますが、勘違いの前提がどちらでも結果は変わらないでしょう。

私はどちらか?やっぱり(スコットが言ったからというわけではないですが)、ライフを払ってタップインだと思います。プレイヤーAの宣言は、たとえ直接ライフを支払うと言っていなかったとしても、明らかにライフを払う意思があったことは間違いありません。土地が出た時点でライフを払う、ここまでは完全に適正です。なので、とても残念ではありますが、やはりライフを払う、そしてタップイン、そういう裁定になるものと思います。

みなさんも是非相手のサリアはお忘れなく。
今日はジャッジと主催者との関係について少し思ったことがあったので話をしたい。

非常に短く言えば、ジャッジは別に主催者の仕事をしなければいけないわけではないです。これがこの記事で言いたいこと。

日本では、現状として、主催者とジャッジがすごく重なってます。これは理由が2つあって、そもそもジャッジがお店もやってるパターンと、あとジャッジがお店に持ちかけて、主催者仕事もほぼ請け負う形で大会をやってるパターンです。(昔は個人で公認大会が開けましたが、今はお店と結びつかないと事実上できないので、後者のパターンが増えているのだと思います)

主に後者の話をします。基本的に主催者業務まで請け負ってまで大会をやろうというジャッジは、非常に士気が高い、やる気のあるジャッジが多いです。それはそれですばらしいことだと思います。

でもね、特にこれからレベル1やレベル2を目指す人に言いたいんですが、ジャッジがみんなそれをしなければいけないとは思わないで下さい。それはあくまでジャッジ業務とは別の、個人がそれぞれのモチベーションでやっていることだと思って下さい。

僕は基本的にそういう事はあんまりやらないでジャッジをしてきました(お店の相談を受けることはもちろんありましたけど)。それでもレベル3になってます。ジャッジ専業、何にも悪くありません。依頼された大会のジャッジをしっかり務める、それで全然いいよね。それで負い目を感じないで下さい。あなたが純粋にジャッジとしてがんばれることはたくさんあります。

もちろん主催者たるお店と仲良くなることは重要です。いろんなお店と情報交換することは大事です。それは、この地域でトーナメントをやりたかったら、ちゃんと公認ジャッジがいるから安心して下さいと思ってもらえるということです。

繰り返しになりますが、今ジャッジで主催者的なことをやってるのはけしからんというものでは断じてありません。それは良いことです。でもそれはジャッジの必須業務では無い、という、ただそういうことです。ジャッジになるハードルはみんなが思ってるより全然低いよ(レベル1もレベル2も)。
話題沸騰の戦闘に関するショートカットルールが変わりました。
ちょっと解説してみましょう。

新しいルールは、こうです。

If the active player passes priority during their first main phase, the non-active player is assumed to be acting in beginning of combat unless they are affecting how or whether a beginning of combat ability triggers. However, if the non-active player takes no action, the active player has priority at the beginning of combat. Beginning of combat triggered abilities (even ones that target) may be announced after any non-active player action has resolved.

分割して考えましょう。アクティブプレイヤー=AP、相手=NAPとします。
(1)もしAPが戦闘前メインフェイズにパスをしたら
(2)NAPは、戦闘開始ステップに行動するものと見なされます
 (2-1)ただし、戦闘開始時誘発能力に影響を及ぼす場合は別です。
(3)もしNAPが行動をしなかった場合、APは戦闘開始ステップで優先権を持ちます。
(4)戦闘開始時誘発は(それが対象を持つものであっても)NPの行動が解決された後に宣言することができます。

(1)もしAPが戦闘前メインフェイズにパスをしたら

 これは、「戦闘いいですか」とか「メインパスします」とか「攻撃します」とか何でも良いです。新しいルールでは、戦闘について言えば、これこれという言葉を言ったらこうなるみたいなルールはなくなりました。なので、英語をしゃべる人でもそれ以外の人でも差はなくなりました。純粋にパスかどうかだけです。

(2)NAPは、戦闘開始ステップに行動するものと見なされます

AP「戦闘良いですか」
NAP「じゃあそれをタップ」・・・(*)

この(*)の行動は、戦闘開始ステップに行われたと見なす、ということです。APは「まだメインだからクリーチャー出せる!」と言えません。NAPがプレイ時に何も言わなければ、自動的に戦闘開始ステップに行動したものと見なされます。ただしNAPが何かしら意図があって、わざとメインにやりたいときは、もちろん「メインに○○します」と言うこともできて、その場合はメインフェイズのままです。

(2-1)ただし、戦闘開始時誘発能力に影響を及ぼす場合は別です。

この例は、たとえばAPが《速接会の技師》(戦闘開始時に対象のアーティファクトクリーチャーに+2/+0)と、《屑鉄場のたかり屋》(これが唯一のアーティファクトクリーチャーだとします)をコントロールしているとします。ここでAPがメインでパスしました。
もしここでNAPがどちらかのクリーチャーをバウンスもしくは除去したりした場合には、それはそもそも《速接会の技師》が誘発するかどうかとか、誘発の対象がいるかどうかとか、そういったことを変化させるので、メインフェイズにバウンスもしくは除去されたものと見なされます。

(3)もしNAPが行動をしなかった場合、APは戦闘開始ステップで優先権を持ちます。

ここは今回一番問題になっていた点です。

AP「戦闘良いですか」
NAP「はいどうぞ」

この時点で、戦闘開始ステップでAPが優先権を持っている状態になります。なので、搭乗できるし、ミシュラ土地を起動できます。

今回こういうルールになったので、非常に厳密にやれば、やりとりが1往復増えました。

AP「戦闘良いですか」(メインでパス)
NAP「はいどうぞ」(ここで戦闘開始ステップになりAPに優先権)
AP「クリーチャー指定しますいいですか」(戦闘開始ステップでパス)
NAP「ちょっと待ってそのまえに・・・」

というやりとりはあり得ます。ポリシー担当ジャッジのtobyが、「the double pass can, and technically always does, happen」といっているのは、そのためです。(つまりパスの往復が1往復分増えるのです)

あとは戦闘開始時誘発に関するもの。

(4)戦闘開始時誘発は(それが対象を持つものであっても)NPの行動が解決された後に宣言することができます。

AP「戦闘良いですか」
NAP「じゃあ・・・します」

こうなった場合、NAPは戦闘開始ステップに行動するものと見なされます。となると、APの戦闘開始時誘発の宣言タイミングは(特に対象を取るものは)厳密に言えばもう通り過ぎてしまっています。これで誘発忘れになるのおかしいですよね。なので、このような場合、NAPの行動の解決後にAPが戦闘開始時誘発を宣言すれば、それは誘発忘れにはなりません。ここはちょっとだけ気持ち悪いけど、まあしょうがないところなのかもしれないですね。

こんな感じでしょうか。疑問点などあればtwitterとかでも聞いてもらえれば。
(最初に)
この記事は、ルール上結構細かい話をするので、一般のプレイヤー向けではありません。細かいところを理解したいジャッジなど向けの文章です。

逆にみんなに言いたいのは、マジックは紛らわしい宣言をして相手をだまくらかすゲームではないので、宣言はきちんとわかりやすく行いましょう。相手の宣言がわかりづらかったら、ちゃんと確認しましょう。それでもわからなかったらジャッジを呼びましょう。ということです。


(以下本題)

つい最近Judgeapps(公認ジャッジ用のウェブサイト)の掲示板で、機体とショートカットの話が話題になっていたので、こんなツイートをした。

「戦闘入ります」などのショートカットは、「戦闘開始ステップに優先権をパスする」ことを意味するため、相手に「どうぞ」と言われたら、もう攻撃クリーチャー指定になってしまいます。端的に言えば機体には搭乗できません。ミシュラ土地などと同様なので、ご注意を。


すると、

それは順序違いの連続行動ではないのですか。
(E) ブロック・クリーチャー指定を始めてから、《樹上の村》を起動してそれでブロックした。
これは順序違いの連続行動で認められるのになぜその例ではダメなのですか


という質問があった。ここで改めて整理してみたい。

まずはルールの文章に立ち戻ることから始める。

4.2 イベントでの手順省略

 イベントでの手順の省略とは、プレイヤーが特にそう宣言せずにルール上の一連の行動の一部を飛ばすことである。ゲームをスムーズに進行するためには必要であり、これによってルール上の些事にとらわれることなく明確なプレイを行なうことができるようになる。ほとんどの手順の省略は、1回またはそれ以上の回数、暗黙に優先権の放棄を行なうことを含む。優先権の放棄を含む手順の省略を新しく使いたい場合、その宣言の一部として最終的なゲームの状態がどうなるのかを明確にすること。
 プレイヤーは、省略されている一連の行動の途中で、どのようにして、またどの時点でその行動から逸脱するのかを宣言し、中断させることができる。この方法で、自分自身の行なっている省略を中断することも認められている。宣言されていない手順の省略を用いたり、一般に用いられている手順の省略を勝手に変更したりして、ゲームを曖昧なものにしてはならない。
 プレイヤーは優先権を要求し、何もしないことを選んではならない。何もしないことを選んだ場合、優先権は要求されなかったものとして直前に優先権を持っていたプレイヤーに戻される。
 マジックで伝統的に用いられている手順の省略として、以下のものがある。それらから逸脱したい場合、そうすることを明示するべきである。また、例示の中には、暗黙に優先権を放棄することをもたらすという点において上記のポリシーに反するものがある。

(途中省略)

・自分のターンの戦闘前に、「戦闘」「攻撃」などの単語を使った「戦闘入ります」などの宣言をした場合、非アクティブ・プレイヤーが止めない限り、戦闘開始ステップにアクティブ・プレイヤーがパスした、ということを意味する。非アクティブ・プレイヤーは望むならその時点までの任意の時点でパスを中断し、何か行動することができる。


「戦闘入ります」はここから引用した。ルール上箇条書きで定められているショートカットは、基本的にはすでにその意味について合意されているものと見なされる。「それらから逸脱したい場合、そうすることを明示するべきである。」というのはそういうことを意味している。

だから、「戦闘入ります」という発言は、「戦闘開始ステップまで入ってパスします」と言っているのと全く同じ効果をもつ。

相手がそこまで何もしなくてそのショートカットを中断させないのであれば、ゲームの状態は、戦闘開始ステップで相手が優先権を持っている状態になる。

相手が「はいどうぞ」と言ったとすれば、それはすなわち相手がパスしたと言うことだ。

ここで、ゲームは攻撃クリーチャー指定ステップに移る。

ここでやることはまず攻撃クリーチャーを指定することであり、ここで優先権は発生しない。つまりあなたには攻撃クリーチャーを指定する前に機体に搭乗したり土地を起動したりするタイミングはない。

それが、最初のツイートの意味である。

なお戦闘開始ステップに何かしたいのであれば、

「戦闘開始ステップ入っていいですか」とか
「第1メイン終了で良いですか」とか

とか言えば良いのだと思う。でもわざわざ戦闘開始ステップに何かする必要があることなんて滅多にないから(《ゴブリンの熟練扇動者》っていうカードはありますが)、何かやりたかったらメイン中にやってしまうのが一番良いと思う。

じゃあ、なぜブロックの時は順序違いの連続行動が認められるのか?

4.3 順序違いの連続行動

 マジックのゲームを厳密に表現することの複雑さに鑑み、完了後の結果が適性で明確な局面を現している場合には、技術的には正しくない順番であっても処理を一連のものとして行なうことは許容できる。
 正しい順序で行なったと仮定した場合に全ての行動が適正であることが必要であり、また、対戦相手は必要な時点で対応するために、正しい順序で行なうようにプレイヤーに求めても良い。(その場合、それ以降に行なわれる行動は一旦取り消され、そのまま行動する義務は生じない)。順序違いの連続行動によって決定を遅らせ、本来のタイミングではまだ得られていない情報を利用することができてはならない。
 プレイヤーは、順序違いの連続行動の途中で対戦相手の反応を見て利用してはならないし、またやり忘れた事をやりなおすために順序違いの連続行動だと主張することも認められない。一般に、一連の行動を行なった後で手が止まった場合、それで行動が終わったものだと判断され、連続行動は終わりとなってゲームは連続行動終了後の対応する局面に進むことになる。
例:
(E) ブロック・クリーチャー指定を始めてから、《樹上の村》を起動してそれでブロックした。


こういう場面を考えてみる。

「これとこれでアタックします」
「うーんとじゃあこれはこれでブロック、これは変わり谷起動してブロック」

これが典型的な順序違いの連続行動の例である。ここで少し考えてみてほしいことは、この場合防御側はブロッククリーチャー指定ステップに入ることを明示的に宣言していない。1つめの発言が終わった時点で、まだ攻撃クリーチャー指定ステップである。だから、本来はこういう順番の行動はおかしいのだけれど(ステップが戻っているから)、攻撃クリーチャー指定ステップで行うことと、ブロッククリーチャー指定ステップで行うことの一連の行動が単に順番が変わっただけだとして認められる。

先ほどの攻撃の例は、すでに戦闘開始ステップで優先権を放棄していることが明示されている。自分が戦闘開始ステップに優先権を放棄した後に起こることは、順に「相手が優先権をパス」「自分が攻撃クリーチャーを指定」であり、その間にあなたに優先権は一回も来ない。順番が違うのではなく、もう優先権を持っていないからそもそもできないことなのだから、順番云々の前に、そもそもそのタイミングではそういった行動(起動)ができない。

ここまでが普通の話。

ここからがよりめんどくさい話。読者を選ぶかもしれない。本当にめんどくさい話なので、もし議論などあればtwitterなどでなく直接お話ししましょう。どうしても気になってしまったので書く。

じゃあ、防御側が「ブロック入っていいですか?」と相手に確認を求めてから上記の行動をしたらどうだろう。

そもそも「ブロック入って良いですか?」は相手に何を確認しているのだろうか。自分は何をしたものと宣言しているのだろうか。

攻撃クリーチャー指定ステップで攻撃クリーチャーが指定されたら、まず優先権を持つのは攻撃側である。でも普通攻撃側はここで何かすることはない。

「ブロック入って良いですか?」=「あなたは攻撃クリーチャー指定ステップで優先権をパスしますか?」だろうか。でもそういう解釈の場合、

(防)「ブロック入って良いですか?」
(攻)「はいどうぞ」
(防)「じゃあブロック宣言前にまずそれを除去して・・・」
(攻)「えっブロック宣言するんじゃないの」

となるかもしれない。少し日本語としてもやもやする。上記のショートカットがあるからなおさらである(ブロックの方は規定されたショートカットでもなんでもないので単純に日本語としての解釈の問題だが)。

普通攻撃側が「ブロック入って良いですか?」といわれたら、それは「ブロック宣言しますがいいですか」という意味だと取ると思う。それはゲームルール的に言い換えれば、「あなたはパスしますか?それなら私もパスします」と言っているのに等しい。こっちの解釈の方が、まあ自然だと思う。防御側がパスしたらもうブロッククリーチャー指定ステップに入ってしまう。すると上記の攻撃時と同じことが言える。

だから、「ブロック入っていいですか」の後に、「ブロックブロック搭乗ブロック」と言われたら、ちょっと待ってそれ搭乗できるの、と言うかもしれない。

これは、「ブロック入って良いですか」の言い方が、ルールと少し整合していないのが理由なのだと思う。「あなたはパスしますか?それなら私もパスします」と言うのはあまり合理的ではない。だって相手がパスするかどうか聞いてから判断した方がいいから。

たとえば、防御側は単に「なにかありますか」「なにもありませんか」 とか言ったりすればいいのかもしれない。つまり相手がパスかどうかを確認したいわけだから。でも普通は攻撃側は攻撃クリーチャー指定ステップに何かすることは少ないから、何もないようであればその確認すら必要ないことの方が多いかもしれない。

ただ、このあたりはちょっと考えが整理できていない。自分も「ブロック良いですか」とか普通にプレイで言ったりするから。

ただいずれにしても、自分がミシュラ土地であったり、機体であったりをコントロールしている場合は、少し発言には気をつけて、ステップをきちんとイメージして、はっきりとした意思表示をした方が、不利なルーリングになる可能性はぐっと低くなるかもしれない。

興味がある人は僕はBMOの日曜日にジャッジで行くので、そこで捕まえて話しかけてください。
 わたくし鈴木健二は、今年いっぱいを持って、レベル3ジャッジとしての活動を終え、今後ジャッジについては大幅にその活動を縮小することを、ここにご報告させていただきます。

 理由を申し述べる前に、少し昔話をさせてください。

 私は大学生の頃にサークルの部室でマジックと出会い、すぐにその魅力にとりつかれて気づけば新宿のイエサブハイパーアリーナに週5で通う日々を過ごすまでになりました。当時はちょうどアイスエイジ・フォールンエンパイア・ホームランド・アライアンスくらいの時代でしょうか。当然ですが最初はプレイヤーとしてマジックにのめり込みました。その当時に知り合った人たちとはまだ友人であったりします。

 さてそのうち、イベントを運営する側の人とも知り合うにつれ、イベント運営の方にも興味を持つようになってきました。私は元からそういった「仕切る」ことが好きであり、また一方でゲームの才能はそこまで高くはないので、思えば自然な流れだったのかも知れません。当時ホビージャパンの大橋さんや鈴置さん、そして一戸さんなどのお力をいただき、初めてジャッジという世界に足を踏み入れました。(97年のGP東京だったかな?もう昔すぎて正確なところは覚えていません。)

 当時からお世話になったジャッジの方はもちろん数え切れないほどいるのですが、前述のホビージャパンの方々はもちろん、その他にも、菅谷さん(アジアマスターの菅谷さんではなく、昔日本のジャッジの中で最も高いレベルで活動していた方)、また若月さんや国光さんなどには大変お世話になりました。

 私は次第にプレイヤーとしてよりもジャッジの方にのめり込んでいったのですが、しかし当時の私はまだジャッジレベルを上げる事についてはあまり興味がありませんでした。グランプリなどでは「老人レベル1」などと自分を称して冗談を言っていた時期が長かったと思います。国内でジャッジをしているだけで楽しかった。でももちろんさすがに周りがそれを許してくれない時期もやってきます。その後レベル2を取得し、ますますジャッジ活動を活発化させていきました。

 しかし一時期、私はジャッジ活動を離れる事になります。それは仕事の関係でカナダに2年間行っていた時代で、カナダでジャッジをする自信が無かった私は、その間全くジャッジの活動をしませんでした。ジャッジの資格は半年間全くジャッジをしないと消えてしまうので、これで私のジャッジ資格は一度無くなっています。

 もちろんそれで私の情熱が失われることはありませんでした。帰国後、レベル1、レベル2を取得し、以前にも増してジャッジ活動にのめり込む事になったのです。この過程では宮坂さんに大変お世話になりました。当時レベル3の宮坂さんに試験官になっていただいたことはもとより、LMCというトーナメントを運営し、ジャッジの機会をたくさん与えていただいたことは、何にも代えがたい経験の元となりました。

 そして、いよいよ日本のジャッジとして上を目指す。そういった意識が本格的に芽生えてきたのは、おそらく地域コーディネーターを進藤さんから引き継いだ頃だと思います。この頃から積極的に海外にも行くようになりました。思えばマジックをやっていなければ、こんなに海外に行く事もなければ、こんなに海外の友人ができる事も無かったと思います。レベル3への道はもちろんやさしいものではありませんでしたが、それでもそれを乗り越えてレベル3になれたのは、国内外含め、様々なジャッジの方の協力あっての事だと思います。本当に自分はみんなに支えられてきたのだなと思います。特に感謝をしたいのは、David VoginやRiki Hayashi、またJames Mackeyです。彼らは日本のイベントが国際化するよりも前から、日本のジャッジコミュニティを見てくれていました。彼らの尽力が無ければ、今の日本ジャッジ界は違った物になってしまっていたでしょう。

 レベル3になってからは、レベル3としていかに日本のジャッジコミュニティを、そして日本のイベントをよくするかというトライの連続でした。僕の唯一のグランプリヘッドジャッジはGP広島です。今思えば大変稚拙なヘッドジャッジだったと思います。いろんな方に迷惑をかけた事については大変申し訳ないことではありますが、それでも様々な事にチャレンジをし、何とかよくしていきたいという心の表れであったのだとご理解いただければと思います。

 思えばレベル3になってから5年、日本のグランプリは2000人をゆうに超えるに至り、参加ジャッジの国際化も大幅に進み、日本ジャッジと海外ジャッジとの交流は以前とは見違えるようです。5年前にはとてもとても想像できなかった世界がここにはあります。私のおかげ、というつもりは毛頭ありません。私がいなくても誰かがやっていた事でしょう。結局は昔、そして今がんばって活動しているジャッジの皆さんのおかげです。もちろんその中では昔から日本を引っ張ってきている牧野さん、梅咲さんの貢献を忘れるわけにはいきません。

 そして新たなレベル3も増えつつあります。中村さん、坂井さんとすばらしいレベル3が生まれています。そして今後も日本のレベル3は増えていくでしょう。新たな世代は間違いなく育ってきています。

 その中で、自分の持つ役割を、今一度思い直し、今回の決断に至りました。

 大きな理由の一つは、もちろん家族です。私には妻、そして3歳の娘と0歳の息子がいます。レベル3として「まっとうに」活動するためには、やはり国の主要なトーナメントでヘッドジャッジを務められなければなりません。しかしその場合どうしても朝早くから深夜までの活動となり、その間他の家族を家に置いて、というのはどうしても自分の中で許せなくなってきました。
 最初は、例えばスイスラウンドだけ参加して、という形で「レベル3を維持する方法」を模索していた時期もあったのですが、維持するのに四苦八苦するようではレベル3を持っている資格があるのか、周りの人たちが協力しているこの状況に甘えているのではないかという考えが大きくなってきました。ジャッジも中途半端、家庭も中途半端では両方に迷惑がかかる。こんな状況を続けてはいけないのではないか。しばらく悩んでいた時期がありました。しかし今回、やはり男としてはそれぞれに責任を持つべき、との決断に至ったのです。

 もう一つの理由は、仕事です。ご存じの通り、私は公務員をしています。そして現在41歳という年齢ですから、それなりの地位を持った形で仕事をしています。もちろん責任は重く、また公務員は副業について大変厳しい制限がかかっていることはご存じの方もいるかと思います。その中で、やはりできるだけジャッジに関わる方法はどのような方法があるか、というのを近年模索してきました。
 一方で、例えば日曜日に終日ジャッジをすると、そのダメージが月曜日になかなか取れていないという根本的な問題も出てきました(歳というのは怖いものですね)。やはり家庭の問題と同じく、どちらでも責任を持った仕事をする必要がある。中途半端ではいけない。こういう言い方は申し訳ないかも知れませんが、1人しかいない私の全力を注ぐならもちろんそれはジャッジのためではなく仕事のために全力を注ぐべきで、日本という国をよくするために全力を注ぐべきなのです。

 今回こういった決断をするにあたっては、何か特定のきっかけがあるわけではありません。何かのイベントで何かがあったとか、誰かに何かを言われたとか、そういったものではなく、過去からの積み重ね、ここ1年以上色々と考えてきた事、そしてこれからのマジックにおけるスケジュールなどを勘案した上で、この時期での決断、そして発表とさせていただいた次第です。

 私のジャッジとしてのビッグイベントはグランプリ千葉が最後になるかと思います。それ以降は、当面レベル2ジャッジとならせていただき、その資格は維持しつつ、RPTQ、WMCQ、GPなどの大規模競技レベルのジャッジからは基本的に引退します。ただしもちろん、趣味としてのマジックは継続します。来年の国内グランプリはプレイヤーとして現れるかも。レベル2を維持するためには1年で競技レベルを2回ジャッジする必要があるので、それを維持できる程度の活動ができるかどうかは今後考えます。それも難しい場合にはレベル1になる予定です。

 最後に、今まで私を支えてくれた皆さんに改めて感謝を申し上げたいと共に、今後のますますの発展を祈念しつつ、もちろんまだそれでも私に何かできる事があれば、今までと違った形で、皆さんと関わらせていただければと思います。

 長文読んでいただきありがとうございました。

 鈴木健二

子育てによるお休み期間がおわり、4月からようやくジャッジ稼業に復帰しました。とはいえ、今まで通り月1回縛りは続いているので、そんなに多くはできません。今後の予定を言うと、

4月2日 プレリリース@バトロコ
5月7日 GP東京
6月以降 未定

となっております。6月以降、ジャッジが必要な主催者様におかれましては、早めのご連絡をいただけますと助かります。(その月が埋まってしまうともうほかの日にはできないため)

どうぞよろしくおねがいします。なお個人的な事情により、今後トーナメントでは一切報酬をいただくことができませんので(実費で交通費や食事代をいただくことはウェルカムですが、労働の対価はいただけません)、その点どうぞよろしくお願いします。

以上個人的な業務連絡でした。
http://blogs.magicjudges.org/telliott/2016/01/25/the-hidden-corners-of-hce/

みんな大好きポリシー担当レベル5ジャッジトビーさんが補足記事を書いてくれました。ちゃんとした訳は後で誰かがあげてくれると思うので、要点だけ紹介しておきます。

まず、この新しい違反カテゴリーは現象面で見た分け方というよりも、きわめて「考え方」寄りで定義したものなので、うまくいけばすごく直感的に良い処理になるけれども、場合によっては(ルール通りに修正すると)とんでもなくおかしく感じられる場合があるかもしれません。その場合には、〔非公開カードに関する誤り〕ではなく〔その他のゲームの誤り〕を出して、後で情報共有しましょう。

※鈴木コメント。これどう考えてもおかしいよなーという場面になったらほかの誰か(できればヘッドジャッジとか)に聞いてみよう。それで二人ともそうだよなーおかしいよなーってなったら〔その他のゲームの誤り〕を出そう。

《闇の腹心》で見せずに引いた

《闇の腹心》で、「誘発解決」といいつつ見せずに手札に入れたとか、何も言わずに2枚引いちゃったとかそういう場合には、手札を見せて、対戦相手が1枚選んで、それをライブラリに入れてシャッフル。対戦相手はどう考えても前から持ってたカードを選ぶかもしれないけど、それはしょうがない。間違えたのはあなたなので。
注意してほしいのは、単に何も言わずに1枚引いちゃった場合は、それは単なる誘発忘れです。

《かきまわすゴブリン》で捨てる前に引いた

「スタック上で保留中の能力によって全体の結果が適正なものになる場合(例えば順序を間違って解決されたカードを引く処理など)、スタックのその部分の解決を続け、ゲームの局面を修復する。」という文章がいろいろ悩みを生んでいるご様子。「スタック上で」という言葉には余り気をとられずに、一連のアクションがあって、追加でアクションをすれば修正ができる場合にはそうしましょうということ。
この例でいえば、《かき回すゴブリン》で捨てる前に引いた。その場合、1枚捨てさせて、そのままゲーム続行(もちろんペナルティは出るよ)。そのほかにもHorizon SpellbombとかSerum Visionsとかを逆順にしちゃった場合も同じ。

エア《師範の占い独楽》は引き続き〈過剰なカードを見た〉扱い。

エア《師範の占い独楽》(ないのに3枚見ちゃった)は今までと扱いは同じ。ペナルティを出して、その3枚をシャッフルしてトップに置こう。

占術した後にやっぱりマリガン

1回マリガン。6枚引く。ライブラリトップをちらっと見てから「マリガンします」・・・まずいですね。ここでの違反は、占術しちゃったわけだから、本来手札にあるべきカードをライブラリに入れてしまったということ。
そういうわけで、ここでの修正は、ライブラリを相手に見せて(!)、相手が5枚のカードを選んで、それが手札。そこからの追加でのマリガンはできる、というもの。6枚じゃねーの?と思うかもしれないけれど、この場合は5枚だそうです。
あとそのプレイヤーは相手にライブラリ見られたくなければ即座に4枚にマリガンしてもいいです。

あとは省略!《森の知恵》?誰かに聞けばきっと教えてくれるはず!
まただいぶ間が開きました。すみません。密かに読者はいるようなので、何とかがんばって続けます。

マッチングと、連絡先交換(するかお断りするか)まではシステムがやってくれます。そこが終わったら、あとは1対1の世界です。

数を言うのが分かりやすいと思うのでまず書きますと、私はたぶん(今の妻と出会うまでに)トータルで15人か20人くらいの人と会ったと思います。それが多いのかどうかはよく知りません。ただし、はっきり言えば、人は会ってみなければわからないことがほとんどなわけで、とにかく会ってみるのが大事なのだなというのが私が婚活で思い知ったことの一つです。

ただし、申し訳ないけど外見は重要なので、だから合う前に写真を見るのは大事だと思います。これは別に美人じゃないとダメとかそういうわけじゃなくて、見た目の時点で合う合わないはどうしてもあります。見た目が合わないと、待ち合わせ場所で出会った瞬間から苦痛な時間を過ごすことになります。それは避けたい。

さて連絡先(メアドと電話番号)を交換されているわけですが、もちろん連絡はほとんどメールです。本当に今の時代メールがあって良かったと思います。これで合ったこともない女性にまず電話で連絡取れとか言われたら僕の婚活はあと2年長くかかったと思います。メールなら手軽に送れるし、送る前に文章が大丈夫か確認できます。メール万歳。

最初に会う場所はだいたいどこかの(ちゃんとした)喫茶店です。2回目になると昼にどこかで食事とかが多かったと思います。時間はだいたい1時間かもうちょっとくらいかな。それくらい話をすればだいたい直感として合う合わないはは感じ取れます(少なくとも合わない人はその時点で絶対わかります)。平日は僕は予定が全く取れなかったので、だいたい土日の昼でした。

で、実際にその女性と会うわけですが・・・それなりの数の女性(それも婚活をしている女性)と会うと、いろいろと傾向が見えてきます。良くある傾向としては、以下のようなものがあります。

・あまりしゃべらない。
 しゃべらない方が上品だと思われると考えているのかどうかわかりませんが、あまりしゃべらない人が多いです。ニコニコして座ってるタイプ。僕は基本的にはあった時にはがんばって会話を続けようとするのですが、あんまり相手がしゃべらないと、「あれ?俺ホスト?」とか思ったりしてしまう瞬間が訪れます。こうなるともうアウトです。ただもちろんそういう女性の方が良い人もいるかもしれません。僕は1言ったら1帰ってくる(10帰ってきても困るけど)人が良かったので、そういう人はお断りせざるを得ませんでした。

・趣味がない。
 このシリーズで最初に書いたことですが、世の中には趣味がない人が山ほどいます。そういう人相手に自分の趣味の話を爆発させたら相手はどん引き確定です。注意しよう。GP遠征が好きな人は旅の話をしよう。漫画が好きな人であれば、ワイドショーとかニュースとかでもやってる超超有名なものにしよう。今だったら進撃の巨人とか。でも漫画ネタは滑ると被害が大きいのでたぶんやめた方が良い。
 さてそういう趣味のない人たちは、だいたいテレビが好きだったりします。そうで無くても最近はみんなスマホでニュース見てたりするし、スマホのニュースは芸能ニュースみたいなのが多いから、そういったところからいくのはどうでしょう。ここら辺の話し方は結構戦略が必要です。何度かやるとなれてくるところがあります(この婚活会社の人にもそう言われました)。何事も慣れです。最初の何人かは練習と割り切るのも大切。大丈夫相手もたぶんそう思ってる。

・結構相手もドライ。
 婚活としてお互いあっているので、向こうも結構ドライです。会わないなーとお互い感じたら(そういう雰囲気ってありますよね)、そんなに長い時間話をせずに、「じゃあまた連絡しますから」と言いながら分かれて、その後システム経由でお断りを入れます。これは自分からのパターンもありましたし、相手からのパターンもありました。理由なんていりません。会わないと思ったら単にお断りすればいいんです(システム経由のお断りのお知らせは、自由記入欄はありません。ただ相手はシステムから「お断りがありました」と知らされるだけ)。さっさと次の人を探しましょう。

・写真と現物は?
 写真と現物が違う人は、それほどいませんでした。世の中そこまで写真でごまかす人はいないんだなーというのが僕の印象でした。まあどうせ会ったらすぐわかっちゃいますし、そこまでがんばる人はいないのでしょう。

結局全体のうち、僕は1回会ってすぐにお断りという人の割合が8割でした。合わない人と会っていても体力と時間の無駄ですから、1回会った時点でちょっとでも疑問を持ったら(よっぽど他に魅力的な点が無い限り)もうお断りしていました。

まあ基本はだいたいそういう感じですが、このシステムにはVIPシステムなるものがあり(名前は違いますが)、それに加入している人はまた別の進み方になります。私はそのVIPシステムには入っていなかったのですが、それに関係したことも何度かありました。それについて次回書こうと思います。ではまた次回。
少し間が開きましたが、一応最後まで何とかがんばって書こうと思います。

さて今回は私が使った婚活サービスのシステムの話を書こうと思います。婚活サービスと言ってもいろいろあって、たとえば多対多のパーティを中心とするところもあると思いますが、一方でネットを中心とした物もあると思います。

私が使った会社は総合系とでもいうべきところで、パーティみたいなのもやるし、そういったものでなくあくまで1対1のマッチングもあります。私が使ったのが後者でいした。

さてマッチングはどうやるか。前回にも書きましたが、各会員は自分のプロフィール、趣味、仕事、年収(これは確か所得証明書で証明しないといけない)、自己PRなどを登録しないといけませんが、一方で「相手の条件」も登録します。年齢年収職業身長体重からおもしろいのは顔が丸形とかそういうのまで指定できる。もちろん指定しなければそれでもいいですし、あまり条件を入れすぎると紹介される人数が減ります(話で良くある「20代でー年収は最低でも1000万でー」みたいなお花畑は相手にされない)。

なおこういったものを作成する際には担当の人が必ず1人ついて、「こういうことはPRに書いた方が良い」とか「条件をこうすると厳しすぎる」とか、そういうのは教えてくれます。これは非常に助かりました。だって全然わからないんだもの。具体的に、「条件をこうすると合致する人がこれくらい減ります」とか見せてくれました。これは良いですね。私が主にこだわったのは年齢くらいですか、もちろん他にもいくつか条件はつけましたが。

さてマッチングはどうやるか。

Z社のサービス(の私が使ったコース)は、ウェブページベースです。1ヶ月に2回、「自分の条件に相手が合致している」「相手の条件に自分が合致している」の2つの条件を満たした相手のリストが、自分専用のページに表示されます。ここで重要なのは、この時点で相手の条件に合致していない人は選ばれないこと。だから最低でも、お互いの最低限の条件には合致していることになります。なおこちらのリストに表示されている人は、必ず相手のリストに自分も表示されている仕組みになっています。

ウェブページでは、相手の基本的な情報が見れます。それはつまり、こちらが入会時に書いた自己情報そのものです。相手のそれが見れるわけです。ただし2つ例外があります。それが写真と連絡先(電話番号とメアド)です。

写真は絶対にウェブでは見れない様になっています。じゃあどこで見るか?Z社のオフィスに行くと、写真閲覧用の端末が何台かおいてあるのです。そこで相手の会員番号を入力すると、相手の写真が見れます。携帯でそれを撮影するのは禁止。こうやって会員の写真がネットに流出するのを防いでいるわけです。

私の場合、半月に20人くらいのリストが来ました。その中で文字情報だけを見て4~5人に絞って、あと写真を見て1~2人に絞るというような形をしていました。少ないかもしれませんが、あとで書く「相手からアプローチ」というのもあったので、それをあわせていろいろと会っていたことになります。

さて相手の情報を見て、写真を見て、「会いたい」となったらどうするか。連絡先は知りませんので直接連絡はできません。Z社のシステム上で、「連絡先照会」をすることになります。それをするとどうなるか。相手に「会員番号○○の○○さんから連絡先照会がありましたがどうしますか」とシステムから通知が行きます。

ここで相手が「お断り」とシステム上で返答したら、システムから「お断りされました」と返事が来ます。ここで終わりです。

相手が「いいですよ」と返答したら、システムから「了解されましたので連絡先をお送りします」となり、メアドと電話番号が送られてきます。

この先はどうするか?

もちろん自分でその連絡先に連絡するのです!

ここからは基本的には自分一人の勝負です。システムは手伝ってくれません。

ただし1個だけシステムが手伝ってくれることがあります。それは「お断り」する時です。一度相手に会った。でもどうも自分には合わない。お断りしたい。その場合直接メールや電話でお断りするのは少し気が引けますが、このZ社のシステム上からお断りのお知らせをすることができます。きわめてドライ。でもそれだから良い。みんな割り切って婚活しているので、いちいち断られて怒っている場合ではありません。次に行けばいいのです。

もちろんZ社の担当の人とは話ができるので、助言をもらうことは可能ですし、僕もいろいろ助言をもらったと思います。(助言とかそう言うのは無料。相手も成婚率が上がれば宣伝になりますから、そういうのはサービスするのでしょう。それなりのお金も払ってるし)

なお私は仕事が忙しくなった時は、主にこの「連絡先照会」が相手から来た時により真剣に会うようにしてきました。相手が積極的に自分を選んでくれているので、それだけ可能性が高いということで。

さて実際にいろんな人と会ってみてどうだったかという話は次回で。
婚活体験記第2回です。

さて婚活を本格的にする、それも特定のサービスを使ってやるとなれば、結構ある程度はサービス提供者がいろいろ教えてくれます。また結婚を求めていない人が混じらないという意味で、こちらもある程度割り切ることができるというのもいいところです(ぶっちゃけていえば、結婚相手になるかというそれだけが判断基準で、はっきりしている)。

それでも結局自分でやらなければいけないところはあります。その1つめが、自分のプロフィールを書くことと、自分の写真を撮ることです。

と、その前に少し現実的な話をしましょう。婚活サービスの費用です。端的に言えば、結構かかります。

http://www.zwei.com/join/charge.html

これを見てもわかるとおり(私が入っている頃とは少し違いますが)、初期75000円で月々1万円ちょっとというのはそれなりのお金です。でも結局のところ、ここは価値観の問題だと思います。僕は時間がなかったですので、効率のよさが最も重要でした。たとえば1回無駄に合コンをすればそれで何千円です。そういうのはやりたくなかった(合コンが意味がないとは言いません。僕は合コンで結婚相手を見つけた同僚を知っています)。なので、このお金には意味があると考えていました。なおページの下の方にプラチナとかそういうのがありますが、これは昔はセンチュリオンとかいう名前でサービスをしており、その話も後々の方でしようと思います。僕はいたって普通のコースでした。

さてプロフィールの話に戻ります。登録すると、まずやることは

・自分のプロフィールを登録する
・自分の写真を登録する
・相手の条件を登録する

(1)自分のプロフィールをどう書くか

さて基本的な事項はどうでもいいんです。結局オタク趣味を書くか書かないかです。たぶんどんな婚活サービスのプロフィールにも「趣味」という欄があるはずです。ここでやっぱり悩みました。悩んだあげく、「旅行、読書、カードゲーム」と書いたと思います。旅行のほとんどはマジック関係ですがそれはまあ関係ないでしょう。重要だったのは、カードゲームを3つめにしたことです。

婚活をしてわかったことですが、世の中には趣味のない人が山ほどいます。「これくらいじゃとても趣味とはいえない」というようなものでも、そういった人たちにとってみれば趣味です。たとえば月に1回映画を見れば、もう趣味は映画鑑賞でもいいと思います。婚活における趣味とはそういうものです。だれもそれについてディープな話を求めているわけではありません。同様に年に3~4回旅行に行けば、もう趣味は旅行でいいのです。そう考えると、これを読んでいるあなたにも絶対オタク趣味意外の趣味はあるはずです。

でも個人的に「趣味:漫画」は危険だと思ってやめました。漫画は読む人が多いので、逆に趣味漫画だと、オタクっぽさが出てしまうと思ったからです。僕は漫画はそれなりに持っていますが、それは書かなくてもいいかなと。でも「カードゲーム」は書かないわけにはいきません。残念ながら生活の一部なので(費やす時間が全然違う)。

なお「トレーディングカードゲーム」と書いても普通誰にもわからないので、やめました。マジックについてどうやって相手に説明したかはまた後の回で。

あとは「自己アピール欄」。これもたぶんどんなのにもあると思います。ここで趣味の話をするのは絶対にやめた方がいいと思います(同じ趣味の人を探したい場合を除く)。趣味以外の部分で自分の良さをアピールすることを心がけた方がいいと思います。ここはかなりがんばって考えました。正直少しくらい盛ってもいいと思っていました(嘘さえつかなければ)。写真のところでも言いますが、会ってくれないとはじまりませんので。

(2)写真

写真、ああ写真。これ一番憂鬱でした。
でも自分が相手を選ぶときにまず見た目で選んでいたのは紛れもない事実です。私の場合、「写真は最低2種類」と言われました。カジュアルなやつと、フォーマルなやつ。フォーマルな方は確かスーツで撮ったとおもいます。問題はカジュアルな方。残念ながらイカした写真なんて持ってません(黒服でジャッジしてる写真を登録するわけにはいかんでしょ)。だから写真館に行きました。

服。これも困りました。自宅にある中で精一杯がんばりました。具体的に言えば黒と灰色を排除して、それで床屋に行って、それで撮ってもらいました。第一印象大事。

ちなみに今の奥様も写真は苦労したと言っていました。男性は男性なりの、女性は女性なりの苦労があるものです。

(3)相手の条件

これは結構広くしました。選択肢は広い方がいいと思ったからです。実質的に条件としてきっちり設定したのは年齢くらいかな。

さて登録して、どうなるかなというところでしたが、続きは次回。次回はこのZ社のシステムを少しくわしめに紹介しようと思います。
ずっと書こうと思っていたのですが、いよいよ自分の婚活体験記を書こうと思います。今回は、そのはじめとして、まずこのシリーズの想定している読者層などの大きな方向性と、また私が婚活に至った訳を書いてみようと思います。

○ この記事の想定読者
 オタクな趣味(ゲーム、アニメ、漫画)を持っており、独身で、結婚したいなと強く思っているか、そうでなくても「結婚もいいかもな」と思っている人。

○ 私のスペック
 婚活は何にせよきわめてパーソナルな物なので、私の経験は私の経験でしかありません。ですので、私のスペックがないと記事が成り立たない。おおざっぱに書きますと、

・職業は公務員。婚活を始めたのは34歳の時。
・身長高め。やややせ形。(よく言えばすらっとした、悪く言えばひょろっとした)
・平日はかなり残業。(婚活していた頃は本当にかなり残業していたような)
・マジックにどっぷりつかっている。毎週末どこかでマジック。平日も家でゲーム。
・漫画好き。特にきららキャラットとかそこらへん。
・服装センスなし。本当にない。
・めがね。
・中学から男子校。大学は数学科で女子ほとんどおらず。ただ大学では吹奏楽サークルで、そこには女性が結構いました。
・自由恋愛で付き合った経験はあまりなし。

こんな感じです。

おまえなんかオタクというほどオタクじゃない!とお怒りの方もいるかもしれませんが、なにとぞお許しを。

○ なぜ婚活に至ったか

 もとから私は結婚願望はありました。30くらいからおぼろげながら、「そろそろ結婚しなきゃなあ」と思いながらも、あまりそれで何か行動するというようなことはなかったのですが、四捨五入で40が見えてくる頃になるといよいよ焦りが出てきます。
 この焦りは気分的な物もありますが、もう一つは子供です。たとえば38で子供ができると、成人するころには自分は58です。もう結構ギリギリです。そういった意味で、34くらいからかなり危機感を持つようになってきました。

 さて、結婚はもちろんきわめて現実的なものでありまして、結婚によって得るものと失う物はたくさんあります。特に我々のようなオタクにとっては、一般人(ここではオタクでないひとのことを「一般人」と称します)との結婚は生活スタイルを大きく変えるきっかけとなります。具体的に挙げてみましょう。

・趣味に費やす時間は大幅に減ります。が、工夫はできます

 これが一番大きな点であり、しかし避けられない点です。毎週末マジックのトーナメントに出かけていたら、普通の奥さんは怒ります。また平日家にいるにもかかわらず、奥さんと話をせずにずっとパソコンと向き合っていたら、普通は怒るでしょう。あなたの時間はあなただけの物ではなくなるのです。もちろん相手の自由時間をどこまで許容できるかはその人次第で、それはまさにあなたが相手を選ぶ基準になり得ます。しかし程度の差こそあれ、あなたが24時間自分のために使っていた時間は、間違いなく大きく減ります。そしてこれは子供ができた瞬間にもっと減ります。あなたは今までよりもずっと、「効率よく遊ぶ」事を求められるようになります。
 しかしこの「効率よく遊ぶ」というのは、ある意味おもしろいことなのかもしれない、と最近思い始めてきました。幸い今はスマホもあるし、友人とチャットもできるし、ラインもできるし、お店に行かなくてもMOでいいかもしれないし、また1つのゲームに集中して遊ぶことができるかもしれない。もちろんチャレンジングな事ではありますが、効率よく遊ぶというのもなかなかおもしろい試みなのではないでしょうか。

・趣味に費やすお金は、結婚の形態次第です。

 オタクが結婚して趣味に費やすお金が激減、という記事をどこかで読みましたが、それは結婚の形態次第です。あなたの結婚相手が専業主婦であれば、趣味に費やすことができるお金は減りますが、それは当たり前です。だってあなたの収入でもう1人くらすんだもの、趣味とかそういうのは関係なく使えるお金は減るのは当たり前。
 最近は共働きが主流ですが、共働きであれば使えるお金は減らないかもしれません。2人で暮らせば節約できる経費もあるし。これは本当に人それぞれだと思います。
 なお僕は子供ができて奥さんが専業主婦になりましたが、元々そこまで趣味にお金をかける人でもなかったので(ジャッジはお金かからないし)、何とかなっています。もちろん使うお金は減りましたが。たとえば昔買っていたスポーツカードは今はほとんど買っていません。

・あなたのコレクションを同居人から隠すのは至難の業です。

 一緒に暮らすということは、あなたのコレクションがおいてある家に結婚相手が住んでいると言うことです。否応なしにそのコレクションは同居人の目に触れることになります。もちろん「お互いの部屋は中を見ない」という同意を取ることもできますが、そうであっても、まずはあなたの膨大なコレクションを新居にどうやって移すかという問題が絶対に出てきます。ちなみに僕は結婚して引っ越しする時に、マジックのカードを段ボール3箱分某店に売りました。それでもかなりの数の漫画や、マジックのカードなどを新居に持ち込んでいます。
 でも問題は量ではなくてどうやって収納するかなのかもしれない。きれいに並んでたら何だって良さそうな物に見える気もする。壁一面漫画でもいいじゃない。ちゃんと整理されてたら奥さんも「へー好きなのね」ですむかもしれない(それですむ人を選ぶのも重要。それはあとで)。
 あと女性に見せたくない物は気をつけよう。何とかするんだ。な?

・大変だけど、結婚はいいものです。

 最初に大変なことを書きました。これはオタクと一般人との結婚だと避けて通れない問題だと思います。でも結婚は良いものです。家に帰ってきた時に誰かがいるというのはいいものです。自分を頼りにしてくれる人がいるのはいいものです。あとこれは私が結婚して思ったことですが、オタクでない人と話すのは結構楽しいです。テレビを見ながらたわいのない話をする、そういったことは非常に幸せな物だとおもいますし、子どもができればその幸せは倍増します(僕はしました。ただ子どもはほしいほしくないは人それぞれだと思います。子どもがいなくても、僕は結婚は良い物だとおもっています)。


やはり35というのは私の中で大きな節目の年齢でありまして、そんなわけで、僕はゲームに費やす時間を減らしてでも結婚したいと思うに至り、ではどうするか?と考えました。

で、その時点で自分には「もう婚活だな」という結論しかなかったのです。

私は仕事が忙しく、のんびり合コンとかそういったもので「彼女捜し」をする時間はありませんでした。もちろん私は合コンを否定するものではありませんが、私がやりたかったのは彼女を探すのではなく、結婚相手を探すことだったのです。ですので、私はきちんとした場所での婚活が一番いいだろうという風に考えました。これは私の年齢がすでに34と高めだったこともあったと思います。彼氏としては34は年齢が厳しいと思いますが、婚活でいえばまだ男の34は大丈夫です。また35か36には結婚したかった私は短期決戦で行く必要があり、であればなおさら「婚活」をする必要があったのです。はっきり言えば、結婚相手を求めていない人とは会ってもしょうがない。

ではどこで婚活をするか?

ぶっちゃけますと、私は某Z社の婚活サービスを使って婚活しました。ですので、今後の体験記はこのZ社での体験が元になっています(現在のサービスと異なる場合がありますのでご注意ください)。ネットで婚活できるようなところもありますが、私はより実態のある会社が安心できると考えまして、このサービスを利用したわけです。

ではどんな婚活だったのか?次回はZ社登録編です。お楽しみに。
週1くらいで書こうと思います。

PTQについて

2014年5月7日 ゲーム
土曜日のPTQは皆様をお待ちしております。

その中で、以下の点をちょっと気にかけていただければと思います。

・ボールペンは持ってきてください。スリーブは持ってくることをおすすめします。

リミテッドのPTQですので、ボールペンが必ず必要です。無いとたぶん買う羽目になります。家にあるボールペンを必ず持ってきてください。かけなくなったときのために2本持ってくればさらに安心。

またスリーブは必須ではありませんが、あるとシャッフルもしやすいし、試合中に傷が付いたりすることも防止できるし(嫁キャラと一緒に試合できるし)安心です。

・試合中の電子機器使用は禁止です。ライフは紙とペンで管理することをおすすめします。

試合中、スマホなどを使ってはいけません(かかってきた緊急の電話を取るのはかまいませんが、事前もしくは事後にジャッジに言ってください)。
スマホでライフの管理をしている人がいますが、PTQではできません。またライフは紙とペンで管理することを強くおすすめします。ダイスとかカウンターとかだと、ライフの動きが全然わからないので、たまに困ります。あとダイスとかだと知らない間に転がっちゃったりするし。

・何かあってジャッジを呼ぶかどうか迷ったら、ジャッジを呼ぼう。

何かあったらジャッジを呼ぼう。大事なことなので二回言いました。

・神パックどうすんの?

どう処理するかは決めています。ご心配なく。当日きちんと手順をアナウンスします。

・基本土地について

ファクトシートにもあるとおり、今回は持ち込みを認めます。ただし英語版と日本語版のみです。また基本土地を持ち込む場合には、裏が完全に見えなくなるスリーブ必須です。

持ち込み可だからといって、ドイツ語版の沼平地エラーとか入れているともれなく僕と楽しいお話タイムなので、その点はよろしく。
 この前GPTをやって思ったことを今回は少し書いてみる。デッキチェック2.0といわれて久しいわけですが、デッキリストチェックは下手をすると惰性でただ仕事をこなす作業になってしまうこともある(もちろんそうじゃない、という人もいるだろうけれども)。デッキリストチェックやデッキチェックとは何のためにやるのか、というのを今一度基本に立ち返って考えてみれば、その適切なやり方も見えてくるんじゃないだろうか。
 今回は特にリミテッド(シールド)について考えてみようと思う。これからGP名古屋もリミテッドだし、PTQシーズンはリミテッドだし、ちょうど良い機会かなと思った次第。

 リミテッドで一番防がないといけない行為は、もちろん持ち込みである。次に良くないのが、組み間違えがわかって途中からそもそもメインデッキを変えちゃうこと。あともちろんリミテッドでも構築でも共通の、積み込みだったり、マークドであったり。

 まずリストチェックを考えてみる。リストチェックでなにがわかるか?これはメイン40枚とプール84枚に分けて考える必要がある。

・メインの40枚チェック
 →39枚とかだと、そもそも不正なデッキ。本当に39枚デッキだったら明らかに有利。でもこれは実際にはポカミスであることがほとんどだったりする。
 →40枚を大幅に超えている場合。デッキとリストとが一致していない可能性がある。たまにリストの書き方に慣れていない人は、例えばサイドで使う予定のカードを「使用枚数」に一緒にかいちゃったりする。その結果リストでは45枚、デッキは40枚ということもある。これだと本当のメインデッキが何かわからないから、メインをちょっといじっちゃってもわからなくなっちゃう(もちろんちゃんとデッキチェックすればすぐにわかっちゃうけど)。

・プールの84枚チェック
 →あとでデッキを組む人が持ち込みをして、その分を「総枚数」の方に自分で書き足しちゃう場合、総枚数が84を超えるから、それで発見できる。もちろん同じ色のペンでやらないと即バレだけど、同じ色だったら意外と気づかないかも。
 →84枚じゃ無くて83枚以下の時もあるけど、まあだいたいはそれは記入ミス。でも最近は登録のダブルチェックをやる傾向にあるので、登録ミスは少なくなってきていると思う。

さて、僕は実際規模が多いときには40枚チェックだけをやることが多かった。GPでもだいたいそうだったと思う。ただ改めて考えてみると、40枚チェックで引っかかるのはだいたい不幸にも書き間違えをしたプレイヤーくらい。もちろんそれがペナルティ出さなくても良いってことじゃないけど、トーナメントの公正さを保つという意味ではちょっと弱い。書き間違えした不幸なプレイヤーを探すために100枚とか200枚とかみんなでチェックすんのか、という気もする。そんな時間あったら普通のデッキチェックせーよ、と思わないでも無い。

デッキチェック2.0で「リストチェックを全部やる必要は無いよ」という考えになった以上、だったら「40枚だけ全部やる」必要はあんまりなくなった。それだったら、持ち込みをできるだけ防ぐために、「全部できるかわからんけどやるからには40も84も数える」方が良い。でももっといえば、デッキチェック2.0の考えでいけば、一番優先すべきはリストじゃ無くて本当のデッキチェックなのである。あとフロアのカバー。

となればジャッジがそこまで多くない(=全部40/84チェックしたら死んじゃう)時にはどうするか。デッキチェック2.0をベースに考えれば、

*リストを集め次第ソートを初めて、まずソートする。全部そろったかチェックする。
*第1回戦目からデッキチェックする。デッキチェックをする2人は、通常のデッキチェックをしてから、その後例えば1人10枚くらいランダムでリストチェック(84も40も)をして、それでもう後はフロアに出る。
*その後、1テーブルチェック→10枚くらいリストチェックを繰り返す。リストを無理にがんばるくらいだったら、サイド後デッキチェックをやった方が良い。(サイド後デッキチェックは、1日に1~2回やるだけでも「やってまっせ」という姿を見せることによる抑止効果がある。)
*最終的にリストチェックが終わらなくても気にしない。

こういう方式になるんだと思う。あと梅咲さんが言っていたアイデアである、「プレイヤーに見えるところでリストチェックをする」というのは同じ方に「やってまっせ」感が出るため、良いアイデアだと思う。ただしプレイヤーにリストを見られちゃう可能性とか、あとやってる間にプレイヤーに質問とかされて手が止まる事もあるので、その点には注意したい。

ジャッジがそれなりに多くても、1回戦目はリストチェックのせいでフロアにジャッジがほとんどいないっていうのはよく見られる光景で、確かにそれは良くない。そこら辺の時間配分は、あくまでフロア優先ということでやっていくのが良いのではないかと思う。

じゃあそのフロアはどうすりゃいいの、という話を次回にしようと思う。質問のある方は是非コメント欄で。

時間がないとばかり言っていないで、きちんと計画的に今後のジャッジ予定を早めにはめていこうと最近反省している私。

家庭の事情で月に1回しかマジック活動はできないので、それぞれの月に1個ずつはめていくことになる。

3月は15か16で可能だけど、もう近すぎるので板橋のGPTにプレイヤーで行く予定。(どこかでジャッジが必要であればご連絡ください)
4月は19か20。もしくはその次の週のプレリ。ここについてもGPTとかでジャッジが必要である方、ご連絡ください。
5月はbigmagicopenでほぼ確定。
6月は今の所フリー。
7月もフリー。
8月はGP神戸。
9月は場所にもよるけどよっぽど遠くない限りWMCQ。

こんな感じ。何とかレベル3として最低限の仕事はしたい所存。これからもよろしくお願いします。
失格処分について知っておきたいこと
鈴木 健二(レベル3ジャッジ)

1.はじめに

 トーナメントにおいて、プレイヤーに「失格です」というのはどのジャッジにとってもつらいことです。失格裁定を出す必要がないままトーナメントが終わってくれればそれに越したことはありません。しかし、ジャッジはトーナメントの公平性を維持するためにも、必要であればその決断を行わなければならないのです。失格を見逃すことはその場の雰囲気を悪化させないかもしれませんが、しかしその見逃しによってあなたのトーナメントの公平性は、そしてさらにはマジックのトーナメントそのものに対する信頼が、失われてしまう結果となります。必要だと判断した場合には躊躇なく失格裁定を出しましょう。この記事では、いつ失格を出すべきか、そして失格を出したあとにどうすべきかについて述べます。

2.いつ失格を出すか

 ジャッジは、ルール文書に則って裁定を行います。ルール文書には、失格を出すべき時がいつかがしっかりと書かれており、逆に言えばそれに合致しない場合には失格裁定は出すべきではありません。この文書のこれに該当するので失格ですとあなたがもし説明できないのであれば、それは失格裁定を出すべきではないのです。
 一方で、もしルール文書にある失格裁定にふさわしいとあなたが判断したのであれば、失格裁定を出すことをためらわないでください。ここで失格を出すとあとで騒がれるのではないか、トーナメントが混乱するのではないか、そういった心配は非常に理解できるところですが、あなたの決断があるからこそ、マジックのトーナメントの健全性が保たれるのです。
 またよく誤解されるところですが、「失格裁定」は、「あなたはイカサマ師(チーター)だ」と言うことと同義ではありません。日本人はプレイヤーにせよジャッジにせよ失格裁定を非常に重く感じる傾向にあります。プレイヤーによっては、失格になればだいたいはサスペンド(出場停止)になるだろうと思っている人もいるようですが、それは誤りで、世の中には「うっかり」で失格になったプレイヤーは数多く、失格裁定を受けた人のうちサスペンドを受ける人は(そういった人は悪意があると見なされたからこそサスペンドを受けるわけですが)ごく一部です。例えとしては、まあサッカーのレッドカードといったところでしょうか。重度な違反、したがって退場、でも出場停止かどうかはそれがどれだけ悪質かどうかで判断、という感じ。
 そして、100%の証拠がなくても、あなたが証言や証拠から判断して、失格の条件に当てはまることが十分確からしいと思ったら、失格裁定を出してください。ジャッジの裁定は裁判ではありませんので、不確定な部分が残っていたとしても、たとえば「諸々の状況を鑑みて、私はプレイヤーAは嘘をついていると判断した。したがって失格処分を出した」という裁定をしても良いのです(もちろん状況をきちんと把握してできるだけしっかりとした証拠の元に裁定を出した方が望ましいことは当然ですが)。プレイヤーには、その裁定についてアピールをする権利があり、直接ウィザーズの本部にアピールをすることができます(日本語でもできます。その場合英語訳されてシアトルに転送されます)。
 そういった諸々の手続きのためにも、失格を出したときにはきちんと証言と状況を文書化して残しておく必要があるわけですが、それについては後の章で述べます。

 また失格裁定を出す前には、すべての関係者から証言を聞き、できるだけ正しい判断をするように心がけてください。インタビューは非常に重要です。何人かから話を聞くと、証言に矛盾があることがよくあります。その場合誰かが嘘をついているか、記憶違いで話をしているのです。また物的証拠、たとえばテーブルのカードの状況、ライフメモの状況なども重要な要素になることがあります。

失格裁定に関するルール文書

失格裁定に関する文書は、ルール適用度が一般であれば「一般イベント用ジャッジ法」であり、競技であれば「マジック違反処置指針」です。それぞれの文書を説明し、いつあなたが失格を出すべきか、いつ出すべきではないかを見てみます。

ルール適用度一般の場合(一般イベント用ジャッジ法)

 ルール適用度一般における失格裁定については、「一般イベント用ジャッジ法」の『重大な問題』の章に記載されています。

『重大な問題』

 イベントにおいて決して許容されない類の振る舞いというものが存在します。イベント前、イベント中にプレイヤーを教導するためにあらゆる努力は払われるべきですが、この一覧に書かれていることを無視することは認められません。以下のようなプレイヤーは、イベントから退場にし、主催者の判断で出入り禁止にしてください。


ルール適用度が低くても、それはトーナメントに参加すべきでないプレイヤーが参加しても良いという理由にはなりません。もちろんここにあるとおり、教育的観点から、あなたはこれから説明するような「非常に良くないこと」が起こらないように、プレイヤーに目を光らせ、必要であれば注意などを行うことは推奨されることです。しかしいったん「非常に良くないこと」が起これば、あなたはそれに毅然と対応しなければなりません。

実際に失格の対象になる行為は以下の通りです。

*(物理的であれ口頭であれ)攻撃的行為、暴力的行為、罵倒的行為

 どんなものであれ暴力が許されないことは論を待たないところですが、それ以外でも、相手を激しく威嚇、または脅迫するような行為、また差別的な発言などを行うことは、マジックのトーナメントでは全く許容されない行為です。

*故意にルールを破る(ゲームのルールであれイベントのルールであれ)、ウソをつく(誘発忘れ以外の対戦相手の不正なゲームの行動を指摘しないことも含む)

 「故意にルールを破る」とは、具体的には、

・ ルール上マッチの開始時にはデッキをメインデッキの状態に戻さなければいけないと知っていながら、わざとサイドボードを戻し忘れる
・ デッキを適切にシャッフルする方法を知っていながら、わざと十分でないシャッフルをする
・ シールドデッキのカード・プールにこっそりカードを加える
・ うっかり違反をしたことに気づいたが、懲罰を受けるのを避けるためにジャッジを呼ばなかった

 などの行為を指します。つまり「これは違反だな」と知っていて、その上でわざとその行為をするということです。ここで注意してほしいのは、失格を出すための前提として、「そのプレイヤーがその行為が違反行為であることを知っている」必要がある事です。よくある例として、「土地呪文呪文3枚切り」シャッフルだけしかしないプレイヤーがいたとします。もし彼がトーナメントに出るのは初めてで、今までずっとそのシャッフルが「シャッフルテクニック」の1つで許される行為だと信じていたのであれば、彼に失格は出すべきではありません(彼はわざとルールを破ろうとしたのではなく、間違ったルール知識に乗っ取ってプレイしていただけなので)。

 また「ウソをつく」については、もちろんジャッジに嘘をつくことは全く許容されませんし、また相手のルール違反に気づいてそれをわざと黙っていることも許されません(たとえば、「今指摘したら巻き戻されてしまうから、もう少し待ってから指摘しよう」というのも許されない行為です)。正しくゲームを進行させるのは両プレイヤーの責務なので、誘発忘れを除けば、相手の行為であろうが、ルール上間違いがあれば指摘すべきですし、間違いかどうか曖昧であればジャッジを呼ぶべきです。

*マッチ結果の(買収、脅迫、ゲーム外の方法などによる)捏造、あるいはイベントに関する賭博

 失格で最も多い例の一つが、「引き分けはもったいないからサイコロを振ってどちらかが勝ったことにしよう」です。さいころを使って勝敗を決めることは決して許されません。また、金品と引き替えに結果を左右する事も許されません。プレイヤーはいつでも投了する権利がありますが、しかしそれは純粋に投了した場合のみで、何かと引き替えに投了することは認められず、それを行ったプレイヤーは(提案した方も、受けた方も)失格になります。
 またこの場合は、その行為が正しくないということをたとえ知らなかったとしても、失格を免れる理由にはなりません。サイコロを振ることがだめだと知らなかったとしても、サイコロを振って勝敗を決めれば、両方のプレイヤーは失格です。
 もしあなたがこれについて心配であれば、トーナメント中にこういった行為が許されていないことをアナウンスすべきでしょう。とあるお店ではこういった行為が許されていないことを必ずアナウンスし、また店内にも掲示を行うなどしており、すばらしいと感じました。

*窃盗(ドラフト中にレアをバインダーの中のカードと入れ替えるようなことを含む)

 もちろんですが、窃盗は許される行為ではありません。失格処分はもちろんですが、主催者と相談して、警察に連絡するなど、しかるべき法的措置をとりましょう。

ルール適用度競技・プロの場合(マジック違反処置指針)

 競技レベル以上においては、基本的にはマジック違反処置指針に書いてあることがすべてです。例示もありますので、それを参考にすれば、いつ失格を出すべきかが分かるでしょう。
 また注意として、マジック違反処置指針は、競技レベル以上のトーナメントのみに適用され、一般のトーナメントには適用されません。一般トーナメントで、「マジック違反処置指針の精神を鑑みて」裁定を出す行為はやめましょう。マジック違反処置指針は、競技以上であることを前提とした文章であり、これを一般のトーナメントに適用するべきではありません。

4.3. 非紳士的行為 ─ 結果の捏造
懲罰:
 【失格】

定義:
 プレイヤーが、ゲーム外の方法でゲームやマッチの勝者を決めようとした、あるいはそう提案した。

例:

(A) イベントで時間切れに際して、引き分けになりそうだった2人のプレイヤーがダイスを振り、勝者を決めた。
(B) マッチの勝者をコイン投げで決めようと対戦相手に提案した。
(C) プレイヤー2人が腕相撲をしてマッチの勝者を決めた。
(D) プレイヤー2人がじゃんけんをしてマッチをするか引き分けにするかを決めた。


理念:
 ゲーム外の方法で勝者を決定することは、イベントの完全性を危うくする。

 時間切れによって引き分けになったマッチはその通りに報告されるはずであり、その結果を決定するために不正な方法を用いることはこの懲罰の対象となる。

 多くの場合、この懲罰は両方のプレイヤーに適用される。勝者を決定する不適正な方法を対戦相手が提案してきた直後にジャッジを呼んだ時だけがその例外である。


 「サイコロを振る」行為は、提案した方も、受けた方も、またそれがルール違反であることを知らなくても、失格の対象です。提案を受けたプレイヤーが失格を免れる唯一の方法は、即座にジャッジを呼ぶことです。マジックのゲーム以外の方法で勝敗を決めることは決して許されません(投了はもちろんできますが)。
 また2勝1敗であったものを2勝0敗にすることも、同じように結果のねつ造となります。プレイヤーは、終わったゲームは必ずその通り報告する義務があります(1勝1敗から相手が投了しても、1回負けたことには変わらないので2勝1敗になります。2勝0敗にする事はできません)。

4.4. 非紳士的行為 ─ 買収・賭博
懲罰:
 【失格】

定義:
 プレイヤーが、対戦相手を誘惑して投了させたり、引き分けにしたり、マッチ結果を捏造したりさせようとした、あるいはそれを受け入れた。マジック・イベント規定に、買収の成立条件についてより詳しく記載されている。

 賭博とは、プレイヤーまたは観客がイベントやマッチ、あるいはその一部の結果に関して賭けを行なうことである。賭博は金銭に限るものではなく、また、賭けの対象が自分のマッチかどうかも問題ではない。

例:

(A) スイス・ラウンドの間に、対戦相手に100ドルで投了してくれないかと持ちかけた。
(B) 対戦相手に、カードをあげるからIDしてくれ、と申し出た。
(C) 賞金を山分けにする代わりに投了してくれるよう、対戦相手に頼んだ。
(D) マッチの勝者が相手のデッキからレア・カードを1枚選んで取ってもいいと、プレイヤー2人が同意した。
(E) 観客2人が、あるマッチが終わるまでに何ゲームかかるかに関して賭けを行なった。


理念:
 買収と賭博はイベントの完全性を損なうものであり、厳しく禁じられている。


 買収はつまり金品と引き替えにマッチの結果に影響を与えさせる行為です。「賞品を山分けしよう」という約束はいっこうにかまいませんが、それによってマッチの結果に影響を与えてはいけません。また勝手に投了するのもかまいませんが(よく「土下座」とか言いますよね)、その投了に見返りがあってもいけません。
 賭博はトーナメントルール上認められていない上に、法令上も問題があるでしょう。また賭博を行った場合、そのマッチのプレイヤーでなくても、またトーナメント参加者でない人でさえも、失格の対象になります。

4.5. 非紳士的行為 ─ 攻撃的行為
懲罰:
 【失格】

定義:
 他者あるいはその持ち物に対して脅迫的な振る舞いをした場合、この違反となる。

例:

(A) 投了しなかったプレイヤーに、殴ると脅した。
(B) 他のプレイヤーの座る椅子を引いて、そのプレイヤーを床に倒させた。
(C) 裁定を受けた後で、ジャッジに脅迫的な態度を見せた。
(D) 他のプレイヤーのカードを引き裂いた。
(E) 故意にテーブルをひっくり返した。


理念:
 イベントの全関係者の安全は、最優先されることである。物理的な悪用や恫喝行為には、許容の余地はない。

追加措置:
 イベント主催者は当該行為者をイベント会場から退場させるべきである。


 暴力行為は決して許されません。また暴力を示唆して威嚇する行為も同様に決して許されません。そういった行為が発生した場合、単に失格を出すのみではなく、主催者と話をし、そのプレイヤーを会場から出すのに加え、必要であれば主催者と相談し、法的な処置が取られるようにしましょう。

4.6. 非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗
懲罰:
 【失格】

定義:
 イベントで用いる、カードやイベント用の備品などの物品を盗んだ場合、この違反になる。

例:

(A) リミテッドのイベントで、自分の開けたカードプールにあったプレミアム版のレアを、登録中にポケットに入れた。
(B) 対戦相手のサイドボードからカードを盗んだ。
(C) テーブル番号札をテーブルから盗んだ。
(D) 前の対戦相手のカードが自分のものに混じっているのに気づいて、スタッフに報告せずに隠した。


理念:
 プレイヤーは、自分の物品がなくなることを心配せずにイベントに参加する。しかし、これはプレイヤーが自分の所有物に注意を払う責任がないということではない。また、イベントに持ってきた、あるいは配られた物品を最後まで持っていることは当然である。イベントの物品に関係しない窃盗はイベント主催者の責任になるが、ジャッジは可能な限り主催者に協力すべきである。

追加措置:
 イベント主催者は当該行為者をイベント会場から退場させるべきである。


 どんな些細なものであっても(ボールペン1本でも、テーブル番号1枚でも)、窃盗は許されません。
 ただし注意してほしいのは、リミテッドのトーナメントにおいては、プレイヤーはいつでも手元にあるカードを持ってドロップできるということです。たとえばM14のシールドトーナメントのカードプール登録中に、あるプレイヤーがフォイルの《テューンの大天使》を見て、「僕はこれを持ってドロップしたい」と言ったとします。これはトーナメントルール上、許される行為です。ドロップした時点で彼の持っている(登録中の)カードは彼のものであり、彼はそれを持って帰ることができます。こういった行為を窃盗に類似する行為と見なす論調も以前はありましたが、公式見解として今はそれは許される行為ということになっています(ただしそういったプレイヤーが再びその地域のトーナメントで歓迎されるかは別の話です)。

4.7. 非紳士的行為 ─ 遅延行為
懲罰:
 【失格】

定義:
 時間制限を利用して有利にしようと、故意にプレイを遅くした場合はこの違反になる。故意でない場合には、〔イベント上の誤り ─ 遅いプレイ〕を適用する。

例:

(A) 手札に土地カード2枚だけを持っているプレイヤーが、ゲームに大した意味のある行動を取れない状況で時間をかけて『考え込んで』いて、時間を食いつぶしていた。
(B) 優勢なプレイヤーが、対戦相手に逆転のチャンスを与えないように明らかにプレイのペースを落としていた。
(C) 遅いプレイをしていたプレイヤーが【警告】を受けた際、考える時間を稼ぐために上訴した。
(D) マッチの第3ゲームで、次のゲームで対戦相手が勝ちにくくなるように、ゲーム開始前の時間制限を故意に超過した。
(E) ゲームで不利になったプレイヤーが、時間切れになるようにプレイのペースを落とした。


 遅延行為は判断が難しい反則の一つです。ただ単に「プレイが遅い」だけでは遅延行為とはなりません(遅いプレイで警告は出るかもしれませんが)。「制限時間を利用して有利にしようと」「わざと遅くした」の2つの条件に当てはまらなければいけません。前者を判定するためには今のゲームやマッチの状況が重要ですから、裁定を出すためには当然それらを考慮しなければなりません(逆に〔遅いプレイ〕についてはゲームの状況は関係ありません。絶対的に遅いかどうかだけを見ます)。
 あまり時計を気にしすぎるプレイヤーには注意しましょう。テーブルそばでジャッジが見ているだけで効果があることも多々あります。

4.8. 非紳士的行為 ― 故意の違反
懲罰:
 【失格】

定義:
 イベント関連文書で定められた規則を破ったり、イベント・スタッフに嘘をついたり、あるいは、自分(やチームメイト)のマッチで違反があったにもかかわらずそれに注意しなかったりした。

 また、以下の条件を満たしていない場合、〔故意の違反〕にはならない。

そのプレイヤーが自分の行動で有利を得ようとしている。
そのプレイヤーが自分が不正なことをしていると認識している。
 どちらかの条件でも満たしていなければ、その違反は〔故意の違反〕ではなく、他の違反で取り扱われるべきである。

 〔故意の違反〕は一見すると〔ゲーム上の誤り〕や〔イベント上の誤り〕になるので、意図や認識を確認するためにジャッジによる調査が必要である。

例:

(A) プレイヤーが、マッチの終了後にそのマッチの結果を変更した。
(B) 自分の主張を強めるため、ゲーム中に何が起こったかについてイベント・スタッフに嘘をついた。
(C) 対戦相手のクリーチャーが致死ダメージを受けていないにもかかわらず、対戦相手がそれを墓地に置くことを放置した。
(D) 対戦相手が《饗宴と飢餓の剣》の誘発型能力の半分だけを解決したことに気付いた上で、その誤りを指摘しなかった。
(E) ドラフト中に、他のプレイヤーのピックを覗き見た。
(F) 対戦相手が土地を散らして充分に無作為化をしていないのを見て、ジャッジを呼ばずに、その土地を散らしたことを逆用するようなパイル・シャッフルをした。
(G) シールドデッキのカード・プールにカードを加えた。
(H) 過剰なカードを引いてしまったことに気付いたが、懲罰を受けるのを避けるためにジャッジを呼ばなかった。


 これは、一般のところで述べた「故意にルールを破る」と同じ考え方です。重要な点を繰り返すと、これに該当するためには、
・そのプレイヤーが自分の行動で有利を得ようとしている。
・そのプレイヤーが自分が不正なことをしていると認識している。
の両方を満たしている必要があります。過去はこの2番目の条件が必要ありませんでしたが、今は必要です。一般のところで述べたように、「だってこうやるものだと思ってたんだもん」という証言があり、あなたがそれを信用に足ると思うのであれば、それは〔故意の違反〕とはなりません。従ってこの項目については、ルール文書にもありますが、インタビューが非常に重要になります。
 ただし、「サイコロを振って勝敗を決める」や「贈賄」など、別途ルールの項目があるものに関しては、この条件は適用されません。サイコロを振ることが不正であることを知らなくても、贈賄が許されないことを知らなくても、サイコロを振ることや贈賄は失格です。
 またジャッジに対するウソはどんな些細なことであっても失格裁定の対象です。ジャッジには基本的にゲームに関するすべての質問について、すべての情報を正直に話さなければなりません(相手に聞かれたくない場合はテーブルを離れて話す事は可能です)。ただし、プレイヤーが記憶違いの証言をしていて、「やっぱり思い出した」ことにより証言を翻す場合には、かならずしも失格裁定を出す必要はありません(意図的に嘘をついたわけではないので)。ただし、それによってヘッドジャッジはその証言の信憑性が低いと判断することはあるかもしれませんが。

3.失格を出すと決めたらどうするか

 あなたが失格裁定を出すべきと決めたとしましょう。

 まず、あなたはヘッドジャッジですか?それなら次に進んでください。ヘッドジャッジでなければ、ヘッドジャッジに相談してください。失格裁定を出せるのはヘッドジャッジのみです。フロアジャッジが勝手に失格処分を出すことは基本的に許されません。

さてまずそのプレイヤーに失格であることを告げる必要がありますが、通常はそのプレイヤーを対戦テーブルから離して、別のところに来てもらって、そこでヘッドジャッジがプレイヤーに告げることになります。これは、そのプレイヤーの事を考えて、またトーナメントにいらぬ混乱を招かないようにするための手法です。その際、そのプレイヤーがどの項目に該当し、またなぜあなたがそう判断するに至ったのかを、きちんと説明しましょう。そのプレイヤーは何か言いたいかもしれませんが、あなた(ヘッドジャッジ)が失格の裁定をすると決めた以上、そのトーナメントにおいてはあなたの判断が最終判断です。まずはあなたの裁定を説明してください。
その際、もし暴力や、窃盗などの場合には、会場からも出てもらうのがいいでしょう。また直接他のプレイヤーといざこざがあった場合には、できるだけそのプレイヤーと離れた場所にいさせるようにしてください。
基本的にトーナメント自体は、そこからそのプレイヤーを除いた形で通常通り続きます。ただし失格裁定を出した場合、ちょっとしたペーパーワークが必要です。

それは、失格処分を出した場合、あなたは基本的にそれをDCIに報告しなければならないからです。何を報告するかというと、

(1)トーナメントの種類、日程、認定番号
(2)失格になったプレイヤー名、DCI番号
(3)失格になった理由(ルール上の区分)
(4)関係者のDCI番号、連絡先、証言

これらです。これがすべて必須です。失格裁定を出した時点で、(1)から(3)はすべて大丈夫なはずです。問題は(4)です。これをどうやって作るかです。

まず、関係者すべてに失格処分について告げ、「失格処分について、その時の状況について、証言を文書にして書いてください」とお願いしましょう。ここで言う関係者とは
・あなた(ヘッドジャッジ)
・そのルーリングに携わったフロアジャッジ
・失格になったプレイヤー
・その対戦相手
・(必要であれば)観戦者
です。基本的には、あなたが失格裁定を出すためにインタビューをした人すべてです。

 プレイヤーは、証言を書くことはできますが、拒否することもできます(失格処分を受けた人を含む)。ジャッジは拒否することは許されません(ジャッジはトーナメントを円滑に進めるためにいるのですから、書いて当然です)。プレイヤーに書いてもらうことは、その時の状況、どうプレイしたか、どう発言したか、などですが、その他何を書いてもかまいません(その失格裁定に関することでさえあれば)。反省の弁でもかまいませんし、「俺は絶対にやってない」でもかまいません。
 フロアジャッジは、状況と、フロアジャッジなりの判断(「以上の状況から失格裁定がふさわしいと判断し、ヘッドジャッジに相談した」など)を書きます。
 観戦者は、インタビューで聞かれたような、その時の状況を書きます。

 ヘッドジャッジであるあなたは、なぜ失格裁定という判断に至ったのか、他の人が分かるように詳しく書きましょう。あなたの書く証言書がこのあとのプロセスで最も重要です。
 ・こういう状況でジャッジが呼ばれた。
 ・両プレイヤーにインタビューしたところ、こういう証言を得た。
 ・その他観戦者にインタビューしたところ、こういう証言を得た(必要であれば)
 ・証拠と証言を勘案すれば、実際はこういうことだったと判断される。
 ・したがって、プレイヤーAはこういう理由から、〔***〕に該当すると判断され、失格裁定を出した。
 だいたいはこういった構成になるかと思います。

 証言は日本語でかまいません。その場で紙に書かなくても、あとでメールで送ってもらってもかまいませんが、ただできるだけその場で書いてもらった方が良いでしょう。(時間がたてばいろいろ忘れてしまう)

 そしてここで一番重要な事があります。かならず、関係者全員のDCI番号と、リアルの連絡先(メールアドレスか電話番号)を教えてもらってください。証言の内容を確認するために、その人に直接メールなどで問い合わせをする事がたまにあります。そのためにも、全員の連絡先は必要なのです。証言を書きたくない、というプレイヤーであっても、連絡先は教えてもらってください。

 あなたは集めた証言を、ジャッジ用のwebサイトである、judge.wizards.comに登録する必要があります。この方法が分からない場合には、トーナメント終了後、WPNの日本本部に問い合わせるようにしてください。

 繰り返しになりますが、失格になったからといって、必ずサスペンドが出る訳ではありません。あなたが集めた証言を元に、サスペンドを出すべきかどうかが判断されます。それゆえ、しっかりと証言を集め、連絡先を聞いた上で、あなたの判断の結果を文章として残すことが重要になるのです。確かに少し面倒なことですが、これはトーナメントの健全性を保つために必要なものですから、「失格とか出すといろいろ面倒だなあ」とつい思ってしまうかもしれませんが、毅然とした態度で、失格を出すべき時は出すという態度で臨んでいただければと思います。

プレイヤーAは、《彩色の宝球》を起動しました。彼は解決時に、「カードを引いてから」出るマナの色を指定しました。この手順は正しくありません。彼の引いたカードはもう手札に入っています。競技レベルだとして、どのような裁定をすべきでしょう?

Chromatic Sphere / 彩色の宝球 (1)
アーティファクト
(1),(T),彩色の宝球を生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色のマナ1点を加える。カードを1枚引く。

本来はマナが出てからカードを引くので、まず色を選ぶ必要があります。ですから何も言わずにカードを引いてはいけません。では単に順序違いの連続行動か?それでもありません。なぜなら色を選ぶ行為の前に、本来得るべきでない情報(引くカードの内容)を知ってしまっているからです。

ではどういった違反になるのでしょう?

カードを引く前に何か不正な行為はありますか?

ありませんね。

で、カードを引くべきでないときにカードを引いた。

ということは、〔過度にカードを引いた〕が適用されます。

つまり、【ゲームの敗北】です。(引いたカードが誰から見ても明らかである場合を除く)

厳しすぎるように見えるかもしれませんが、カードを引くという行為は非常に悪用の余地が大きい行為ですから、是非十分すぎるくらいに注意していただければと思います。

モダンでは使われるカードですから、皆さんご注意を。
イベントデッキ再び。もう世の中はM14イベントデッキですが、なぜかDGMイベントデッキ(セレズニア)の改良版で晴れる屋のFNMに突撃。

さてリストを見てみよう。

2 《宿命の旅人》
2 《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》 →4マナとか6マナとか払ってる暇あるのか?
1 《ラムホルトの勇者》
1 《旅する寺院》
1 《熟練の戦術家、オドリック》 → 重いし、置いて次殴ってようやくってのもちょっと。
1 《霊誉の僧兵》
-クリーチャー(8)-

4 《反射起こし》 → せめてインスタントにならなかったのか。でも全部抜くかと思うと悩む。
2 《怨恨》 → これを4枚入れずに何を4枚いれるのか。
4 《議事会の招集》
4 《セレズニアの魔除け》
4 《無形の美徳》
3 《未練ある魂》
3 《根生まれの防衛》
1 《ワームの到来》
1 《兵士の育成》 → 4マナ払ってのんびり1個ずつ増やしてる場合じゃない。
1 《似通った生命》 → 4マナ払ってのんびり(以下同文)
1 《高まる献身》
-呪文(28)-

7 《平地》
6 《森》
1 《沼》
4 《セレズニアのギルド門》
1 《神無き祭殿》
1 《守護者の木立ち》
4 《進化する未開地》
-土地(24)-

というわけで、

抜いたカード
2 《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》
1 《熟練の戦術家、オドリック》
1 《兵士の育成》
1 《似通った生命》
1 《反射起こし》

入れたカード
2 《怨恨》
3 《ワームの到来》

あと土地は例によってショックランドやM10ランドで調整。

で、FNMに突撃したんですが、なんと3-0しました。いやっほう。
いやー怨恨強いね。

なおサイドにこっそり新しく入れた天界のほとばしりがなかなか良い働きをしました。
怨恨つけてアタック→ブロッカーをほとばしりで除去→全部貫通、みたいな。
どうも、イベントデッキ大好きのすずけんです。
(前のラクドスは調子に乗って貴種を入れたら弱くなってしょんぼり)

今回はイベントデッキ1種類しかないとのこと。

メイン
4 Evolving Wilds
6 Forest
1 Godless Shrine
1 Grove of the Guardian
7 Plains
4 Selesnya Guildgate
1 Swamp

1 Champion of Lambholt
2 Doomed Traveler
1 Geist-Honored Monk
1 Odric, Master Tactician
2 Vitu-Ghazi Guildmage
1 Wayfaring Temple
1 Advent of the Wurm
4 Call of the Conclave
1 Growing Ranks
1 Increasing Devotion
4 Intangible Virtue
3 Lingering Souls
1 Parallel Lives
2 Rancor
3 Rootborn Defenses
4 Selesnya Charm
4 Wake the Reflections

サイド
4 Centaur Healer
3 Druid’s Deliverance
4 Pacifism
1 Rogue’s Passage
3 Sundering Growth

どうでしょうかね。例によってギルド門をショックランドにかえればなんとかデッキには鳴ってる感じなんでしょうかね。ただ1枚ずつぼつぼつ差し込まれてるレアがイマイチかみ合ってないような気もしないでもない。ワームは別として。オドリックじゃねえだろとか。トークンだからParallel Livesとか安易すぎじゃないのとか。

ちょっと試してみたい気はするんですが、うーんどうなのかな。Wake the Reflectionってもっとさすがに何かなかったのっていう気もするんですが・・・
昔々、サイバーワンというカードゲームがありました。

それはオーナーズリーグの次の作品として出されたもので、リアルのカードを買って、それを登録してウェブ上で対戦するという、対戦ゲームだったそうな。

僕はそれが結構好きだったんだけれど、結局去年サービスが終了してしまった。2年持たなかったかな。好きだっただけに残念だった。で、なんでダメだったのかな~とたまに考えている。

初期のプロモーションは結構力が入っていた。サンデーとかにも漫画が載るくらいだったし、ゲーム系のニュースサイト(まとめ系とかじゃなくちゃんとした方)とのタイアップでプロモカードを作ったりとかもしていた。

でもまず物が売ってなかった。

どこに行ってもパックがなかった。
買えないのは遊びようがない(無料でも遊べたけど、すぐに限界になる)。

あとオリジナルの1対1のカードゲームは、オーナーズリーグみたいな「リーグを組んでその中で戦う」という仕組みがあまり合ってなかったんじゃないかなと思う。

あと無料ユーザーと有料ユーザー(カード買う人)との棲み分けがうまくいってなかった様に見えた。無料のβ期間が長かったからかもしれない。無料で遊べるのが普通の状態になってしまってからのパック発売だった。

ただ、やっぱり一番問題だったのはカード毎のゲームバランスだったんだと思う。

少しでもプレイテストをしていれば、もうちょっと強く/弱くするだろうみたいなカードがいっぱいあった。サイバーワンには4色の色が合ったけど、色を生かすシステムもほとんど無かった。

あと同じカードを何枚でも入れられたので、すごい極端なデッキができてしまった。

カードの(物理的な)出来は良かったと思う。イラストも結構好きだった。ルールの根幹の部分はよく考えられていたと思う。でもルールやカードの仕上げがボロボロだった。

同じルールの仕組みを改良してどこかが再チャレンジしてくれないかなーと切に思う。

1 2 3 4 5 6 7 >